学研全訳古語辞典 |
まよ・ふ 【迷ふ】
活用{は/ひ/ふ/ふ/へ/へ}
①
思い迷う。思い悩む。
出典続拾遺集 釈教
「尋ねきてまことの道にあひぬるもまよふ心ぞしるべなりける」
[訳] 探し求めてきて仏の道に出会ったのも、(私の)思い悩む心こそが道しるべであったのだなあ。
②
あちこちと移りゆく。さまよう。
出典源氏物語 野分
「風騒ぎ群雲(むらくも)まよふ夕べにも」
[訳] 風が吹き荒れ、群雲が移りゆく夕べでも。
③
道に迷う。
出典平家物語 九・老馬
「深山にまよひたらん時は」
[訳] 深い山中で道に迷ったようなときは。
④
入り乱れる。右往左往する。混乱する。
出典源氏物語 玉鬘
「まかで参りする車多くまよふ」
[訳] 退出したり参上したりする牛車(ぎつしや)が数多く右往左往する。
⑤
(織り糸などが)乱れて片寄る。ほつれる。
出典万葉集 三四五三
「袂(たもと)の行(くだり)まよひ来(き)にけり」
[訳] 袂の縦糸がほつれはじめた。
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