学研全訳古語辞典 |
ひま-な・し 【隙なし・暇なし】
活用{(く)・から/く・かり/し/き・かる/けれ/かれ}
①
すきまがない。
出典枕草子 宮にはじめてまゐりたるころ
「次の間に長炭櫃(ながすびつ)にひまなくゐたる人々」
[訳] 次の部屋で長い角火鉢のそばにすきまがなく座っている女房たち。
②
絶え間がない。ひっきりなしである。
出典竹取物語 燕の子安貝
「殿より使ひひまなく賜(たま)はせて」
[訳] 御殿から使者をひっきりなしにお遣わしになって。
③
心のすきがない。油断がない。
出典枕草子 ありがたきもの
「いささかのひまなく用意したりと思ふが」
[訳] ほんのわずかの油断もなく心づかいしたと思う人が。
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