学研全訳古語辞典 |
へだて 【隔て】
①
間をさえぎること。仕切り。
出典枕草子 清涼殿の丑寅のすみの
「北のへだてなる御障子(みさうじ)は」
[訳] 北の仕切りであるついたて障子には。
②
区別。違い。
出典源氏物語 玉鬘
「幸ひのなきとあるとは、へだてあるべきわざかな」
[訳] 幸せのない人とある人とは、(美しさの点で)違いがあるはずのものであるなあ。
③
時間の隔たり。時の経過。
出典奥の細道 全昌寺
「一夜のへだて、千里に同じ」
[訳] 一夜の(時間的な)隔たりは、千里(も離れた時間)に同じ(ように私には思われる)。
④
うちとけないこと。心のわだかまり。
出典徒然草 五六
「へだてなく慣れぬる人も」
[訳] 心のわだかまりがなくうちとけて慣れ親しんだ人も。
隔てのページへのリンク |