学研全訳古語辞典 |
かぜ-の-たより 【風の便り】
分類連語
①
風という使者。
出典古今集 春上
「花の香かをかぜのたよりにたぐへてぞ鶯(うぐひす)さそふしるべにはやる」
[訳] (梅の)花の香りを風という使者に添わせて、うぐいすを誘う道案内として送ろう。
②
ちょっとしたついで。ふとした機会。
出典源氏物語 末摘花
「荻(をぎ)の葉も、さりぬべきかぜのたよりある時は、おどろかし給(たま)ふをりもあるべし」
[訳] 軒端(のきば)荻にも、しかるべきちょっとしたついでには、気を引いて(ご覧になる)という機会もあるにちがいない。
③
どこからともなく伝わってくるうわさ。
出典竹斎 仮名
「かぜのたよりに聞くよりも、よもや誠(まこと)と思はねども」
[訳] うわさに(亡くなったことを)聞くやいなや、まさか(そのことが)本当だとは思わないけれども。
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