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かづくの意味

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学研全訳古語辞典

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かづ・く 【潜く】

[一]自動詞カ行四段活用

活用{か/き/く/く/け/け}


水中にもぐる。


出典万葉集 七二五


「にほ鳥のかづく池水」


[訳] かいつぶりがもぐる池の水よ。


(水中にもぐって魚や貝などを)とる。


出典万葉集 二七九八


「伊勢の海人(あま)の朝な夕なにかづくとふ鰒(あはび)の貝の片思(も)ひにして」


[訳] (私の恋は)伊勢の漁師が朝夕に水中にもぐってとるというあわびの貝が一枚であるように片思いであって。


[二]他動詞カ行下二段活用

活用{け/け/く/くる/くれ/けよ}


(水中に)もぐらせる。


出典万葉集 三三三〇


「隠(こも)り口(く)の(=枕詞(まくらことば))泊瀬(はつせ)の川の上(かみ)つ瀬に鵜(う)を八頭(やつ)かづけ」


[訳] 泊瀬の川の上流で鵜をたくさんもぐらせ。



かづ・く 【被く】

[一]他動詞カ行四段活用

活用{か/き/く/く/け/け}


かぶる。


出典徒然草 五三


「傍らなる足鼎(あしがなへ)を取りて、頭にかづきたれば」


[訳] そばにある足のついた鼎を取って頭にかぶったところ。


いただいた衣服を左肩にかける。(褒美などを)いただく。


出典大和物語 一二五


「大将も物かづき忠岑(ただみね)も禄(ろく)賜りなどしけり」


[訳] 大将も引き出物をいただき、忠岑もご褒美をいただいたりなどした。


負担する。身に引き受ける。


出典心中万年草 浄瑠・近松


「男のある娘をかづかせて、去らせて構はぬ工面ぢゃな」


[訳] 男のいる娘を背負い込ませて、離縁させて知らんぷりするつもりだな。


[二]他動詞カ行下二段活用

{語幹〈かづ〉}


頭からかぶせる。


出典伊勢集 


「まとゐする身に散りかかる紅葉(もみじ)葉は風のかづくる錦(にしき)なりけり」


[訳] 皆で丸くなって座っている身に散りかかる紅葉の葉は、風がかぶせる錦の織物であったことよ。


(褒美・引き出物として衣服を)左肩にかけてやる。与える。


出典竹取物語 燕の子安貝


「『願ひを叶(かな)ふることのうれしさ』とのたまひて、御衣(みぞ)脱ぎてかづけ給(たま)ひつ」


[訳] 「願いをかなえてくれることのうれしさよ」とおっしゃって、お召し物を脱いで褒美としてお与えなさった。


押しつける。負わせる。


出典日本永代蔵 浮世・西鶴


「自分商ひを仕掛け、利徳はだまりて、損は親方にかづけ」


[訳] 自分で取引を始め、利益はだまって(自分のものにし)、損失は主人に押しつけ。








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