学研全訳古語辞典 |
うらうらに…
分類和歌
「うらうらに照れる春日(はるび)に雲雀(ひばり)上がり心悲しも独りし思へば」
出典万葉集 四二九二・大伴家持(おほとものやかもち)
[訳] うらうらと春の日の照っている中を、ひばりが空に上がっている。このような日に一人で物思いにふけっていると、何とも悲しい思いになる。
鑑賞
作者の叙情歌の代表作の一つ。「歌によって悲しみに閉ざされた心を払いのけようとした」と左注にあるように、春のやわらかい日ざしの中で愁いに浸る作者の気持ちが、みごとに表れている。「独りし思へば」は「心悲しも」に対する倒置表現であることに注意したい。「心悲しも」の「も」は詠嘆の意を添える終助詞、「独りし思へば」の「し」は強意の副助詞。
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