学研全訳古語辞典 |
えん 【宴】
宴会。酒宴。うたげ。
えん 【縁】
①
因縁(いんねん)。因(=直接の原因)を助けて果(=結果)を生じさせる、間接の原因。◇仏教語。
②
手づる。縁故。
出典源氏物語 宿木
「えんを尋ねつつ」
[訳] 手づるを求めては。
③
(物ごとの)結びつき。つながり。特に、親子・夫婦・主従など、人と人との結びつき。
出典平家物語 二・少将乞請
「わが子のえんに結ぼほれざらむには、これほど心をばくだかじものを」
[訳] わが子との結びつきに束縛されなければ、これほどまでに心を痛めなくてよかったものを。⇒え(縁)・えに・えにし
えん 【縁・椽】
家屋の外縁の、板敷きの部分。寝殿造りでは、母屋(もや)の廂(ひさし)を取り囲む形で、柱の外側に付けられる。
えん 【艶】
優美な風情。はなやかな美しさ。
出典無名抄 近代歌体事
「心にも理(ことわり)深く、詞(ことば)にもえん極まりぬれば」
[訳] 内容的にも道理が深く、表現でも優美な風情が十分となった場合には。
艶
分類文芸
中世の歌学の美的理念の一つ。和歌の批評用語として、古典的で深みのある優美な余情美をさす。特に藤原俊成(ふじわらのとしなり)の主張するところで、その子定家(さだいえ)の歌論もこれを出発点としている。
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