学研全訳古語辞典 |
くだらのの…
分類和歌
「百済野の萩(はぎ)の古枝(ふるえ)に春待つとをりしうぐひす鳴きにけむかも」
出典万葉集 一四三一・山部赤人(やまべのあかひと)
[訳] 百済野の萩の枯れ枝に、春の訪れを待つといって止まっていたうぐいすは、もう鳴いたであろうか。
鑑賞
百済野は奈良県北葛城(かつらぎ)郡広陵町百済あたりの野とも、藤原(ふじわら)宮址(し)付近ともいわれる。「をりし」の「し」は過去で、作者が冬に訪れたときのことをいい、「鳴きにけむ」の「にけむ」は完了+過去推量で、現在春を迎えてからの想像を示している。
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