学研全訳古語辞典 |
さざなみや…
分類和歌
「さざなみや(=枕詞(まくらことば))志賀(しが)の都はあれにしを昔ながらの山桜かな」
出典千載集 春上・よみ人知らず・平家物語七・忠度都落・平忠度(たひらのただのり)
[訳] 志賀の古い都(=大津の宮)はすっかり荒れ果ててしまったが、昔ながらに美しく咲いている長等山(ながらやま)の山桜よ。
鑑賞
『平家物語』によると、この歌は都落ちする平忠度が、和歌の師である藤原俊成(ふじわらのとしなり)に託した歌の中の一首で、後に俊成が朝敵の平家一門であることをはばかって、「よみ人知らず」として『千載和歌集』に入れたとされる。「昔ながら」に、志賀の都の西方にある「長等山」をかける。
さざなみやのページへのリンク |