学研全訳古語辞典 |
さら-さら(と)
①
さらさら(と)。▽物が軽く触れ合って立てる音、また、浅い水の流れ、さざ波の音などを表す。
出典源氏物語 浮舟
「伊予簾(いよすだれ)はさらさらと鳴るもつつまし」
[訳] 伊予簾はさらさらと音をたてて鳴るのも気がひける。
②
すらすら(と)。▽物事がよどみなく進むようすを表す。
出典平家物語 四・橋合戦
「橋のゆきげたをさらさらさらと走り渡る」
[訳] 橋のゆきげたをすらすらすらと走り渡る。
さら-さら 【更更】
①
ますます。改めて。
出典万葉集 三三七三
「多摩川に晒(さら)す手作りさらさらに何そこの児(こ)のここだ愛(かな)しき」
[訳] ⇒たまがはに…。
②
〔打消や禁止の語を伴って〕決して。
出典古今集 神遊びの歌
「さらさらにわが名は立てじ万世(よろづよ)までに」
[訳] 決してわたしのうわさ(=浮き名)は立てないでおこう、いついつまでも。
さら‐さらのページへのリンク |