学研全訳古語辞典 |
しな 【品】
①
階段。段。
出典源氏物語 若菜上
「御階(みはし)の中のしなのほどに居(ゐ)給(たま)ひぬ」
[訳] (夕霧は寝殿の)階段の中の段のあたりにお座りになった。
②
階級。身分。家柄。
出典源氏物語 帚木
「中のしなのけしうはあらぬ、選(え)り出(い)でつべきころほひなり」
[訳] 中流の階級の悪くはない女性を、選び出すことができる時勢である。
③
品格。人柄。
出典徒然草 五六
「興なきことを言ひてもよく笑ふにぞ、しなのほど計られぬべき」
[訳] おもしろみがないことを言ってもよく笑うことで、品格の程度はおしはかることができるであろう。
④
事の成りゆき。事情。
出典曾根崎心中 浄瑠・近松
「この上は徳様も死なねばならぬしななるが」
[訳] こうなっては徳様も死ななければならない事の成りゆきだが。
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