学研全訳古語辞典 |
すさま・じ 【凄じ】
活用{(じく)・じから/じく・じかり/じ/じき・じかる/じけれ/じかれ}
①
おもしろくない。興ざめだ。しらけている。
出典枕草子 木の花は
「梨(なし)の花、よにすさまじきものにして、近うもてなさず」
[訳] 梨の花は、まったくおもしろくないものとして、身近には取り扱わない。
②
寒々としている。殺風景だ。情趣がない。
出典徒然草 一九
「すさまじきものにして見る人もなき月の」
[訳] 殺風景なものとして見る人もない(冬の)月が。
③
冷たい。寒い。
出典平家物語 六・紅葉
「風すさまじかりける朝(あした)なれば」
[訳] 風が冷たかった朝なので。
④
ものすごい。激しい。ひどい。
出典保元物語 中
「すさまじき者の固めたる門へ寄せ当たりぬるものかな」
[訳] ものすごい者が守っている門に攻めてきてしまったものだな。
注意
現代語「すさまじい」とは語義が異なるので気をつけること。
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