学研全訳古語辞典 |
たけ・し 【猛し】
活用{(く)・から/く・かり/し/き・かる/けれ/かれ}
①
勇ましい。勇猛だ。気丈だ。
出典竹取物語 かぐや姫の昇天
「たけく思ひつる造麻呂(みやつこまろ)も、物に酔(ゑ)ひたる心地して、うつ伏しに伏せり」
[訳] 勇ましく思っていた造麻呂も、何かに心を奪われたような気持ちになって、うつ伏せに伏している。
②
勢いが盛んだ。激しい。荒々しい。
出典平家物語 一・祇園精舎
「たけき者もつひには滅びぬ」
[訳] 勢いが盛んな者も最後には滅びてしまう。
③
精いっぱいだ。せいぜいである。
出典源氏物語 明石
「面影そひて忘れがたきに、たけきこととはただ涙に沈めり」
[訳] (源氏の)面影が目先にちらついて忘れられないので、(明石の上は)精いっぱいのできることとしてひたすら泣き沈んでいる。
④
まさっている。すばらしい。
出典源氏物語 玉鬘
「逃げ隠れ給(たま)ふとも、何のたけきことかあらむ」
[訳] 逃げ隠れなさっても、どれほどまさっていることがあろうか。
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