学研全訳古語辞典 |
たち 【太刀・大刀】
①
上代、長大な刀剣の総称。多くは反(そ)りのない直刀。
出典古事記 景行
「嬢子(をとめ)の床の辺(へ)にわが置きしつるぎのたちそのたちはや」
[訳] おとめの床のそばに私が置いてきた剣。ああその太刀よ。
②
平安時代以後、反りがあり、刃を下に向けて腰につり下げる長大な刀。
たち- 【立ち】
動詞に付いて意味を強める。「たち代はる」「たち添(そ)ふ」「たち勝(まさ)る」
-たち 【達】
…方(がた)。多くの…。「だち」とも。▽神および尊敬する人を表す名詞の下に付き、複数である意を表す。
出典万葉集 三四〇
「古(いにし)への七(なな)の賢(さか)しき人たちも」
[訳] 昔の七人の賢いかたがたも。
参考
同様の意味を表す接尾語「ども」は敬意を含んでいないが、「たち」には自分より上位の人への敬意が含まれている。
たち 【館】
①
官舎。貴人や役人が宿泊・居住する所。
出典土佐日記 一二・二一
「住むたちより出(い)でて」
[訳] 住んでいる官舎からでて。
②
邸宅。やかた。
出典源氏物語 明石
「この浜のたちに心安くておはします」
[訳] この浜の邸宅に(源氏は)気軽においでになられる。
③
小規模な城。
出典平家物語 七・願書
「貞任(さだたふ)がたち厨川(くりやがは)の城(じやう)焼けぬ」
[訳] 貞任の城である厨川城が焼けてしまった。
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