学研全訳古語辞典 |
た・む 【回む・廻む】
活用{み/み/む/むる/むれ/みよ}
ぐるりと巡る。迂回(うかい)する。
出典万葉集 五八
「安礼(あれ)の崎漕(こ)ぎたみ行(ゆ)きし棚(たな)なし小舟(をぶね)」
[訳] ⇒いづくにか…。
た・む 【溜む】
活用{め/め/む/むる/むれ/めよ}
①
とどめておく。とめる。
出典万葉集 三二二七
「水脈(みを)速み生(お)ひため難き石枕(いはまくら)蘿(こけ)むすまでに」
[訳] 水路の流れがはやいので(苔(こけ)が)生えてつくのが難しいその川の石に苔が生えるまでに。
②
集めてためる。
た・む 【矯む・揉む】
活用{め/め/む/むる/むれ/めよ}
①
伸ばしたり曲げたりして、形を整える。
出典奥の細道 松島
「屈曲おのづからためたるがごとし」
[訳] 屈曲しているようすは自然に形を整えたかのようだ。
②
制御する。
出典平家物語 九・生ずきの沙汰
「舎人(とねり)あまた付いたりけれども、なほ引きもためず」
[訳] 舎人が大勢付いていたが、それでも(綱を)引いて制御することもできず。
③
偽る。
④
(弓に矢をつがえて)ねらいをつけて、矢を放たない。
た・む 【訛む】
活用{ま/み/む/む/め/め}
なまる。音声が濁る。
出典源氏物語 常夏
「言葉こはごはしく、言葉たみて」
[訳] 言葉はごつごつして、言葉はなまっていて。◆後には「だむ」。
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