学研全訳古語辞典 |
つくろ・ふ 【繕ふ】
活用{は/ひ/ふ/ふ/へ/へ}
①
修理する。手入れをする。直す。
出典源氏物語 松風
「前栽(せんざい)どもの折れ伏したるなど、つくろはせ給(たま)ふ」
[訳] 前庭の花壇の草花などが折れ曲がり倒れているのなど、手入れをおさせになる。
②
治療する。
出典徒然草 四二
「さまざまにつくろひけれど、わづらはしくなりて」
[訳] いろいろな方法で治療をしたけれど、病気が重くなって。
③
(姿・形を)整え飾る。装う。化粧する。
出典徒然草 一九一
「鏡取りて、顔などつくろひて」
[訳] 鏡を手に取って、顔などを化粧して。
④
(表面の体裁を)とりつくろう。ごまかす。
出典源氏物語 蜻蛉
「今は世の聞こえをだにつくろはむ」
[訳] 今はせめて世間の評判だけでもとりつくろおう。
注意
②は古文ではしばしば現れるが、現代語の「つくろう」にはない。
参考
動詞「つくる」の未然形「つくら」に上代の反復継続の助動詞「ふ」がついた「つくらふ」の変化した語。
つくろふのページへのリンク |