学研全訳古語辞典 |
つぼ 【坪】
①
中庭。建物や垣などに囲まれた、比較的狭い一区画の土地。
出典枕草子 職の御曹司におはします頃、西の廂にて
「御前(おまへ)のつぼにも作らせ給(たま)へり」
[訳] 清涼殿の西の中庭にも(雪山を)作らせなさった。◇「壺」とも書く。
②
宮中の部屋。つぼね。◇「壺」とも書く。
③
(格子の)ます目。
出典枕草子 野分のまたの日こそ
「格子(かうし)のつぼなどに、木の葉を…こまごまと吹き入れたる」
[訳] 格子のます目などに木の葉を…(風が)こまごまと吹き入れている。
④
条里制で、一町(=約一〇九メートル)四方の土地の面積を表す単位。一坪は約一一九アール。
⑤
中世以降、屋敷地や田畑などの面積を表す単位。一間(=約一・八メートル)四方の面積で、一坪は約三・三平方メートル。
つぼ 【壺】
①
口がつぼまっている容器。つぼ。
②
(岩のくぼみ、滝壺などの)深くくぼんだ所。
③
掛け金を受ける留め金。壺金(つぼがね)。
④
ねらうべき要所。ねらい所。急所。
出典申楽談儀
「似合ひたる能にて候はずは、得たるつぼに入(い)るまじく候ふ」
[訳] 似合った能でありませんと、堂にいったねらい所に入ることはできないのです。
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