学研全訳古語辞典 |
つ-・べし
分類連語
①
〔「べし」が推量の意の場合〕きっと…てしまうだろう。…てしまうにちがいない。
出典源氏物語 桐壺
「楊貴妃(やうきひ)の例(ためし)も引き出(い)でつべうなりゆくに」
[訳] (唐の)楊貴妃の先例も引き合いに出すにちがいないほどになってゆくので。◇「つべう」はウ音便。
②
〔「べし」が可能の意の場合〕…てしまうことができるだろう。
出典枕草子 にくきもの
「あなづりやすき人ならば、『のちに』とてもやりつべけれど」
[訳] 軽く扱ってよい人であるならば、「後で」と言って帰してしまうこともできるだろうが。
③
〔「べし」が意志の意の場合〕…てしまいたい。…てしまおう。
出典源氏物語 澪標
「とりかへしつべき心地(ここち)こそすれ」
[訳] (乳母を明石にやらずに)取り返してしまいたい気持ちがする。
注意
「つ」はこの場合は、確述(強意)を表す。
なりたち
完了(確述)の助動詞「つ」の終止形+推量の助動詞「べし」
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