学研全訳古語辞典 |
つぶつぶ-と
①
こまごまと。
出典落窪物語 三
「片端(かたはし)よりつぶつぶと語りて」
[訳] 事の一部分から、こまごまと話して。
②
ぽたぽたと。ぽろぽろと。▽水などが粒のようになってこぼれ出るようす。
出典蜻蛉日記 中
「つぶつぶと涙ぞ落つる」
[訳] ぽろぽろと涙が落ちる。
③
どきどきと。
出典蜻蛉日記 中
「例のごとぞあらむと思ふに、胸つぶつぶと走るに」
[訳] いつものとおりなのだろうと思うのだけれど、胸がどきどきと騒ぐのに。
④
ふっくらと。
出典源氏物語 横笛
「つぶつぶとをかしげなる胸をあけて、乳(ち)などくくめ給(たま)ふ」
[訳] ふっくらとすばらしい胸をあけて、(赤ん坊に)乳などをおふくませになる。
⑤
ぐつぐつと。▽物が煮える音を表す。
出典徒然草 六九
「豆を煮ける音のつぶつぶと鳴るを聞き給(たま)ひければ」
[訳] 豆を煮ていた音がぐつぐつと鳴るのをお聞きになったところ。
⑥
ぶつぶつと。▽つぶやくようす。
出典雨月物語 蛇性の婬
「口の内つぶつぶと念じ給(たま)ひつつ」
[訳] (呪文(じゆもん)を)口の中でぶつぶつとお唱えになりながら。
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