学研全訳古語辞典 |
と-かく
①
あれやこれや。何やかやと。
出典土佐日記 一二・二一
「日しきりにとかくしつつ、ののしるうちに夜ふけぬ」
[訳] 一日中、あれやこれやとしながら大騒ぎするうちに、夜が更けてしまった。
②
ややもすれば。ともすれば。
出典愚管抄 七
「仲哀(ちゆうあい)より欽明(きんめい)まで十七代は、とかく落ち上がりて」
[訳] 仲哀天皇から欽明天皇までの十七代は、ややもすれば落ちたり上がったりして。
③
いずれにしても。何にしても。とにかく。
出典諸国ばなし 浮世・西鶴
「『とかく、あるじの心まかせに』と申されければ」
[訳] 「とにかく、ご主人のお心のままに」と申し上げられたので。◆副詞「と」に副詞「かく」が付いて一語化したもの。
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