学研全訳古語辞典 |
ときどきの…
分類和歌
「時々の花は咲けども何すれそ母とふ花の咲き出(で)来(こ)ずけむ」
出典万葉集 四三二三・防人歌(さきもりうた)
[訳] その季節季節の花は咲くけれども、どうして母という花が咲き出てこなかったのだろう。
鑑賞
母が花であったらささげて行くのに、花ではないので、別れて一人で行くしかないという気持ちを歌っている。愛する者と別れねばならぬ若き防人の悲痛な叫びが聞こえてくる。防人歌にはこうした愛する者との別れを詠んだ歌が多い。
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