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ときの意味

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学研全訳古語辞典

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とき 【斎】

名詞

僧の食事。特に、午前中にとる定時の食事。


出典徒然草 六〇


「とき・非時(ひじ)も、人に等しく定めて食はず」


[訳] 定時の食事も、そうでない食事も、他の人のように時間を決めては食べず。


法事などの際に、僧や参会者に出す食事。◆仏教語。


参考

食事をすべき時(とき)の意から。僧は午前中の一日一食であった。



とき 【時】

名詞

(過ぎていく)時間。時の流れ。


出典徒然草 一九一


「若きどち、心とどめて見る人は、ときをも分かぬものなれば」


[訳] 若い者同士、互いに注意して見る人は、(見たり見なかったりという)時間の区別がないものなので。


(一昼夜を区分した)時間。時刻。


出典竹取物語 かぐや姫の昇天


「宵うち過ぎて、子(ね)のときばかりに」


[訳] 夜も更けて、子の時刻(=今の午前零時)ごろに。


時節。季節。


出典新古今集 雑中・伊勢物語九


「とき知らぬ山は富士の嶺(ね)いつとてか鹿(か)の子まだらに雪の降るらむ」


[訳] ⇒ときしらぬ…。


よい時機。好機。


出典万葉集 一八五五


「桜花ときは過ぎねど見る人の恋の盛りと今し散るらむ」


[訳] 桜の花をみるのによい時機は過ぎていないのに、見る人の惜しむ盛りだと思って、今こそ散っているのだろう。


時代。年代。世。


出典源氏物語 桐壺


「いづれの御(おほん)ときにか、女御(にようご)・更衣(かうい)あまたさぶらひ給(たま)ひける中に」


[訳] どの帝(みかど)の御治世であったろうか、女御や更衣がたくさんお仕えしておられたなかに。


時勢。時世。世のなりゆき。


出典伊勢物語 一六


「のちは世変はりとき移りにければ」


[訳] その後は世が変わって時勢が移ってしまったので。


その当時。そのころ。


出典源氏物語 蜻蛉


「ときの帝(みかど)の御むすめ」


[訳] そのころの帝の皇女。


(そういう状態の)時。折。場合。


出典徒然草 一〇九


「降るるときに、軒たけばかりになりて」


[訳] 降りてきている時に、軒の高さぐらいになって。


栄えている時期。勢いが盛んな時期。


出典古今集 雑下・詞書


「ときなりける人の、にはかにときなくなりて嘆くを見て」


[訳] 勢いが盛んな時期であった人が、急に盛んな勢いがなくなって嘆くのを見て。



とき 【鬨・鯨波】

名詞

合戦で、戦いの初めに全軍で発する勇ましい叫び声。ときの声。


出典平家物語 一・殿下乗合


「六波羅の兵(つはもの)ども、…ときをどっとぞつくりける」


[訳] 六波羅の兵たちは、…ときの声をどっと上げた。


参考

全軍の士気を高め、戦闘開始を敵に告げる合図。大将が「えい、えい」と二声発すると、一同が「おう」と応じ、これを三度繰り返す。








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