学研全訳古語辞典 |
にほのうみや…
分類和歌
「にほの海や月の光のうつろへば波の花にも秋は見えけり」
出典新古今集 秋上・藤原家隆(ふぢはらのいへたか)
[訳] にほの海はまあ、月の光が映るので、秋の色がないといわれる波の花にも、秋の色は見えることだなあ。
鑑賞
本歌の「草も木も色変はれどもわたつうみの波の花にぞ秋なかりける」(『古今和歌集』)〈草も木も色が変わるが、海の波という花には(色を変える)秋はないことよ。〉が、秋になっても白波の色が変わらないのを、「秋なかりける」としたのに対してここでは、月の光が白い波に映れば、波も秋の色になると異を唱えた。「にほの海」は琵琶(びわ)湖の別名。
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