学研全訳古語辞典 |
に-て-も
分類連語
…であっても。…でいても。…でも。
出典徒然草 一九一
「昼はことそぎ、およすけたる姿にてもありなん」
[訳] 昼は簡素にして、地味な姿でいてもよいだろう。▽「あり」「なし」などの語が下にくることが多い。
なりたち
断定の助動詞「なり」の連用形「に」+接続助詞「て」+係助詞「も」
にて-も
分類連語
①
(場所・時間などを表して)…においても。…にいても。…でも。
出典万葉集 三八九六
「家にてもたゆたふ命波の上に浮きてし居をれば奥処(おくか)知らずも」
[訳] 家にいても不安な命なのに、(今、海上の)波の上に浮いているので、この先将来がどうなるのかわからないことよ。
②
(手段・方法、または理由・原因を表して)…によっても。…にでも。
出典源氏物語 桐壺
「たづね行く幻もがなつてにても魂(たま)のありかをそこと知るべく」
[訳] (更衣の魂のゆくえ)を捜しに行ってくれる幻術士がいるといいなあ。人づてにでも魂のいる場所がどこなのか知ることができるように。
なりたち
格助詞「にて」+格助詞「も」
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