学研全訳古語辞典 |
の・る 【乗る】
活用{ら/り/る/る/れ/れ}
①
乗る。
出典伊勢物語 九
「はや舟にのれ、日も暮れぬ」
[訳] 早く舟に乗れ、日が暮れてしまう。
②
のりうつる。
出典万葉集 三五一七
「何(あぜ)為(せ)ろと心にのりてここばかなしけ」
[訳] どのようにしろというのか、心にのりうつってこんなにも悲しいのか。
③
調子づく。勢いがつく。
出典後撰集 雑一・詞書
「ゑひにのりて子どものうへなど申しけるついでに」
[訳] 酔いに調子づいて子供のことなど申し上げたついでに。
の・る 【告る・宣る】
活用{ら/り/る/る/れ/れ}
言う。告げる。
出典万葉集 二四〇七
「母は問ふともその名はのらじ」
[訳] 母が尋ねたとしても、(恋人の)その名は言うまい。
参考
言霊(ことだま)信仰を背景にした語で、まじない・のろいの力をもった発言や、むやみに口に出すべきでない事柄を明かす発言、重要な意味をもった正式の発言などにいう。
の・る 【罵る】
活用{ら/り/る/る/れ/れ}
悪口を言う。ののしる。
出典万葉集 三〇九六
「馬柵(うませ)越しに麦食(は)む駒(こま)ののらゆれど」
[訳] 馬柵を越えて麦を食う馬のように(親から)ののしられるけれど。
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