学研全訳古語辞典 |
はか・る
活用{ら/り/る/る/れ/れ}
(一)
【計る・量る】
①
おしはかる。推量する。
出典徒然草 五六
「興(きよう)なきことを言ひてもよく笑ふにぞ、品(しな)のほどはかられぬべき」
[訳] おもしろみがないことを言ってもよく笑うことで、品格の程度はおしはかることができるであろう。
②
予測する。予想する。
出典土佐日記 二・四
「このかぢとりは、日もえはからぬかたゐなりけり」
[訳] この船頭は、天候を予測することもできない愚か者であったよ。
③
機会をとらえる。見はからう。
出典徒然草 六八
「館(たち)の内に人もなかりける隙(ひま)をはかりて」
[訳] 屋敷の中に人がいなかったすきを見はからって。
④
計量する。測定する。計算する。
出典平家物語 七・願書
「たとへば、嬰児(えいじ)の貝をもって、巨海をはかり」
[訳] たとえていうなら赤子が貝殻で大海の水量をはかり。
(二)
【謀る・企る】
①
相談する。
出典宇津保物語 忠こそ
「いささかなる事、はかり聞こえむとぞや」
[訳] ちょっとしたことを、相談申し上げようというのだろうか。
②
くわだてる。たくらむ。
出典平家物語 二・西光被斬
「あは、これらが内々(ないない)はかりしことのもれにけるよ」
[訳] ああ、この者どもが内々でくわだてたことがもれてしまったよ。
③
計略にかける。だます。
出典枕草子 うれしきもの
「我はなど思ひてしたり顔なる人はかり得(え)たる」
[訳] 自分こそはなどと思って得意顔でいる人をだますことができたとき(は、うれしい)。
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