学研全訳古語辞典 |
まつ・る 【奉る】
活用{ら/り/る/る/れ/れ}
①
献上する。差し上げる。▽「与ふ」「やる」の謙譲語。
出典万葉集 六三六
「わが衣形見にまつる」
[訳] わたしの衣を形見として差し上げる。
②
召し上がる。▽「飲む」「食ふ」の尊敬語。
出典続日本紀 天平一五
「やすみしし(=枕詞(まくらことば))わご大君は…豊御酒(とよみき)まつる」
[訳] わが天皇は…美酒を召し上がる。
活用{ら/り/る/る/れ/れ}
〔他の動詞の連用形に付いて〕お…申し上げる。お…する。▽謙譲の意を表す。
出典万葉集 三九二二
「大君に仕へまつれば」
[訳] 天皇にお仕え申し上げると。
参考
[二]は、平安時代以後は、「たてまつる」「つかうまつる」などとして、謙譲の本動詞の中に残る。上代語。
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