学研全訳古語辞典 |
まで
《接続》体言、活用語の連体形、副詞、助詞などに付く。
①
〔範囲・限度〕…まで。
出典伊勢物語 八二
「夜ふくるまで酒飲み、物語して」
[訳] 夜の更けるまで酒を飲み交わし、おしゃべりをして。
②
〔添加〕…までも。…さえ。
出典土佐日記 一二・二四
「ありとある上下(かみしも)、童(わらは)まで酔(ゑ)ひ痴(し)れて」
[訳] そこにいるすべての身分の人は、子供までも酒に酔って正体がなくなって。
③
〔程度〕…ほどに。…くらいに。ほどまで。
出典枕草子 鳥は
「梅の木などには、かしがましきまでぞ鳴く」
[訳] 梅の木などには(うぐいすが)うるさいぐらいに鳴く。
④
〔強調・感動〕…(だ)なあ。…(だ)ね。▽特に、断定の助動詞「ぢゃ」の下に付き、文末に用いられる。
出典瓜盗人 狂言
「今夜の人形はそのまま人ぢゃまで」
[訳] 今夜の人形はそのまま(生きた)人間だなあ。
参考
④を終助詞とする説もある。
まで 【詣で】
動詞「まうづ」の未然形・連用形「まうで」の変化した語。
出典枕草子 説経の講師は
「つねにまでまほしうなりて」
[訳] いつも参りたくなって。
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