学研全訳古語辞典 |
も・ゆ 【燃ゆ】
活用{え/え/ゆ/ゆる/ゆれ/えよ}
①
火が燃える。陽炎(かげろう)が立ちのぼることや、蛍が光を放つことなどを見立てていうこともある。
出典古事記 履中
「陽炎(かぎろひ)のもゆる家群(いへむら)」
[訳] かげろうの立ちのぼっている家々。
②
火が燃え盛るように心が高ぶる。
出典万葉集 二九三二
「心にはもえて思へどうつせみの人目を繁(しげ)み妹(いも)に逢(あ)はぬかも」
[訳] 心では燃えるように激しく高ぶって思うけれど、世間の人の目がうるさいのであの娘に会わないでいることだ。
も・ゆ 【萌ゆ】
活用{え/え/ゆ/ゆる/ゆれ/えよ}
草木の芽が出る。芽ぐむ。
出典万葉集 一八四六
「霜枯れの冬の柳は見る人の蘰(かづら)にすべくもえにけるかも」
[訳] 霜で枯れた冬の柳は、見る人のかづら(=髪飾り)にできるように芽が出たことだ。
もゆのページへのリンク |