学研全訳古語辞典 |
やくもたつ…
分類和歌
「八雲立つ(=枕詞(まくらことば))出雲(いづも)八重垣(やへがき)妻ごみに八重垣作るその八重垣を」
出典古事記 須佐之男命(すさのをのみこと)
[訳] 幾重にも重なって雲が立ちのぼる出雲、幾重にもめぐらした垣、妻をこもらせるためにここ出雲の国に幾重にもめぐらせた垣を作るのだ、その垣を。
鑑賞
須佐之男命は八俣(やまた)の大蛇(おろち)を退治し、櫛名田比売(くしなだひめ)を得て出雲(島根県)の須賀(すが)に宮殿を造ることになった。その宮殿をほめたたえて詠んだ歌。『古事記』本文には、須佐之男命が須賀の宮を造ったときに、その地から雲が立ちのぼったとある。むらがり立つ雲と、宮殿を囲む幾重もの垣とが重ねられ、出雲の国で妻をめとり宮を新築した喜びが読み取れる。『古今和歌集』仮名序では、この歌を三十一文字(みそひともじ)(=和歌)の始まりだとしている。以来、和歌を「八雲」、和歌の道を「八雲の道」という。末尾の「を」は感動の間投助詞。
やくも-たつ 【八雲立つ】
分類枕詞
多くの雲が立ちのぼる意で、地名「出雲(いづも)」にかかる。
出典古事記 神代
「やくもたつ出雲八重垣(やへがき)妻ごみに八重垣作るその八重垣を」
[訳] ⇒やくもたつ…。
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