学研全訳古語辞典 |
わざ-と 【態と】
①
わざわざ。
出典徒然草 三二
「わざとならぬ匂(にほ)ひ、しめやかにうちかをりて」
[訳] わざわざ焚(た)いたとも思われない(香の)かおりが、もの静かに薫って。
②
格別に。取り立てて。特別に。ことさら。
出典枕草子 すさまじきもの
「人のもとにわざと清げに書きてやりつる文の返り事」
[訳] ある人のところに特別に美しいようすに書いてやった手紙の返事。
③
〔多く下に「の」を伴って〕正式に。本格的に。
出典源氏物語 桐壺
「わざとの御学問はさるものにて」
[訳] 本格的なご学問は言うまでもなく。
わざとのページへのリンク |