学研全訳古語辞典 |
うば・ふ 【奪ふ】
活用{は/ひ/ふ/ふ/へ/へ}
①
奪う。
出典徒然草 一二八
「命をうばはん事、いかでかいたましからざらん」
[訳] 命を奪うことは、どうしてかわいそうでないことがあろうか。
②
盗み取る。
出典万葉集 八五〇
「雪の色をうばひて咲ける梅の花」
[訳] 雪の色を盗み取って咲いている梅の花。
③
〔下に受身の助動詞を伴って〕(心を)ひきつける。
出典徒然草 七五
「心、外(ほか)の塵(ちり)にうばはれて」
[訳] 心は、外界の汚れにひきつけられて。
ば・ふ 【奪ふ】
活用{は/ひ/ふ/ふ/へ/へ}
むりに取りあげる。うばう。
出典源氏物語 夕霧
「ありしやうにもばひ給(たま)はず」
[訳] 以前のようにも、(手紙を)うばい取りなさらない。◆「うば(奪)ふ」の変化した語。
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