学研全訳古語辞典 |
さし-い・づ 【差し出づ】
活用{で/で/づ/づる/づれ/でよ}
①
(光が)差し始める。輝き出す。
出典枕草子 九月ばかり、夜一夜
「朝日いとけざやかにさしいでたるに」
[訳] 朝日がたいそうはっきりと輝き出したときに。◇「射し出づ」とも書く。
②
外に出る。人前に出る。出仕する。
出典徒然草 一五〇
「うちうちよく習ひ得てさしいでたらんこそ、いと心憎からめ」
[訳] (一芸を身につけるのに)ひそかによく習得してから人前に出たようなのこそ、たいそう奥ゆかしいであろう。◇「さし」は接頭語。
③
でしゃばる。
出典源氏物語 早蕨
「ふとさしいで聞こえむことの、なほつつましきを」
[訳] 不意にでしゃばり申し上げるようなことが、やはり気が引けるので。◇「さし」は接頭語。
活用{で/で/づ/づる/づれ/でよ}
差し出す。
出典枕草子 この草子
「端の方なりし畳をさしいでしものは、この草子載りて出(い)でにけり」
[訳] 端の方に置いてあった畳を差し出したところ、この草子が畳に載って出てしまった。
差し出づのページへのリンク |