学研全訳古語辞典 |
ざ-・す 【座す・坐す】
活用{せ/し/す/する/すれ/せよ}
座(すわ)る。
出典奥の細道 象潟
「この寺の方丈にざして簾(すだれ)を捲(ま)けば、風景一眼のうちに尽きて」
[訳] この寺の住職の居室に座って簾を巻き上げ(て外を眺め)ると、風景が一望のうちに見渡され。
わ・す 【座す】
活用{さ/し/す/す/せ/せ}
活用{せ/せ/す/する/すれ/せよ}
いらっしゃる。おいでになる。▽「あり」「来(く)」の尊敬語。
出典粟田口 狂言
「『東馬之允(とうまのじよう)はわするか』『これに候ふ』」
[訳] 「東馬之允はいらっしゃるか」「ここにおります」◆「おはす」の変化した語。
ま・す 【坐す・座す】
活用{さ/し/す/す/せ/せ}
①
いらっしゃる。おいでである。おありである。▽「あり」の尊敬語。
出典万葉集 二四三
「王(おほきみ)は千歳(ちとせ)にまさむ」
[訳] 皇子さまは千年も(生きて)おいでになろう。
②
いらっしゃる。おいでになる。▽「行く」「来(く)」の尊敬語。
出典万葉集 四二七〇
「大君のまさむと知らば玉敷かましを」
[訳] 天皇さまがいらっしゃると知っていたならば玉石を敷いただろうに。
活用{さ/し/す/す/せ/せ}
〔動詞の連用形に付いて〕…て(で)いらっしゃる。お…になる。▽尊敬の意を表す。
出典古今集 羇旅
「一年(ひととせ)に一度(ひとたび)来ます君待てば」
[訳] 一年に一度通っていらっしゃる夫君を待っているので。
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