学研全訳古語辞典 |
こころ-にく・し 【心憎し】
活用{(く)・から/く・かり/し/き・かる/けれ/かれ}
①
奥ゆかしい。心が引かれる。上品で美しい。
出典源氏物語 桐壺
「こころにくき限りの女房四五人(よたりいつたり)さぶらはせ給(たま)ひて」
[訳] 奥ゆかしい女房だけを四、五人そばにお仕えさせになり。
②
恐ろしい。気がかりだ。
出典平家物語 六・飛脚到来
「その者、こころにくからず」
[訳] その者は恐ろしくはない。◇中世以降の語。
③
怪しい。いぶかしい。
出典世間胸算用 浮世・西鶴
「こころにくし。重き物を軽う見せたるは隠し銀(がね)に極まるところ」
[訳] 怪しい。重い物を軽く見せているのは、隠し金があるにきまっている。◇近世語。
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