学研全訳古語辞典 |
もて-い・く 【持て行く】
もて-い・く
【持て行く】
活用{か/き/く/く/け/け}
持って行く。持参する。
出典堤中納言 ほどほどの懸想
「文(ふみ)取らすれば、『…』と言ひて、もていきて取らすれば」
[訳] 手紙を託すので、「…」と言って持って行って渡すと。
【もて行く】
活用{か/き/く/く/け/け}
〔他の動詞の連用形に付いて〕しだいに…してゆく。だんだん…になる。
出典枕草子 春はあけぼの
「昼になりて、ぬるくゆるびもていけば」
[訳] 昼になって、だんだん生暖かく、(寒さが)やわらいでゆくと。
参考
「もてゆく」とも。[二]の「もて」は接頭語。
もて-ゆ・く 【持て行く】
もて-ゆ・く
【持て行く】
活用{か/き/く/く/け/け}
「もていく[一]」に同じ。
出典宇治拾遺 二・一
「ただ一人愛宕(あたご)の山にもてゆきて」
[訳] たったひとりで、愛宕の山に持って行って。
【もて行く】
活用{か/き/く/く/け/け}
〔他の動詞の連用形に付いて〕「もていく[二]」に同じ。
出典伊勢物語 八一
「夜(よ)あけもてゆくほどに」
[訳] 夜がしだいに明けてゆくころに。◆「もて」は接頭語。
持て行くのページへのリンク |