学研全訳古語辞典 |
あそみ 【朝臣】
奈良時代の「姓(かばね)」の一つ。「八色(やくさ)の姓」の第二位に位する。◆「あせ(吾兄)おみ(臣)」の変化した語。「あさおみ(朝臣)」の変化した語とも。
あそん 【朝臣】
①
平安時代、五位以上の貴族男子の姓または名の下に付けて、敬意を表した語。身分によって付く位置が違う。三位(さんみ)以上には姓の下に付け、名は記さない。四位には名の下に五位には姓と名との間に入れた。
出典今昔物語集 二八・二
「今は昔、摂津(せつつ)の守(かみ)源頼光(みなもとのよりみつ)あそんの郎等(らうどう)にてありける」
[訳] 今ではもう昔の話だが、摂津の守源頼光の朝臣の家来であった。
②
あなた。▽貴族同士で、相手を親しんで呼ぶ語。
出典源氏物語 東屋
「よろづのこと足(た)らひて目安きあそんの、妻(め)をなむ定めざなる」
[訳] 万事がそなわっていて難のない(=立派な)あなたが、まだ妻を定めないでいると聞いているよ。
参考
「あそみ」の変化した語。中世以降「あっそん」とも。
あっそん 【朝臣】
「あそん」に同じ。
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