学研全訳古語辞典 |
さ・り 【然り】
{語幹〈さ〉}
①
そうだ。そうである。そのようである。
出典更級日記 大納言殿の姫君
「かしがましく鳴きののしれども、なほさるにてこそはと思ひてあるに」
[訳] うるさく鳴き騒ぐけれども、やはり(猫は)そうであるのであろう(=飼い主がそばにいないと鳴くものなのだろう)と思っていると。
②
適切である。そのことにふさわしい。
出典更級日記 大納言殿の姫君
「えいひよらぬに、さるべきたよりを尋ねて、七月(ふみづき)七日(なぬか)いひやる」
[訳] (所有者に)とても頼め込めないでいたが、ふさわしそうな縁故を見つけ出し、(その人を通して)七月七日に言い送る。◆副詞「さ」にラ変動詞「あり」の付いた「さあり」の変化した語。
しか・り 【然り】
活用{ら/り/り/る/れ/れ}
そうである。
出典万葉集 八九二
「人皆かあれのみやしかる」
[訳] ⇒かぜまじり…。◆副詞「しか」にラ変動詞「あり」が付いた「しかあり」の変化した語。
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