学研全訳古語辞典 |
さり-とて-は 【然りとては】
分類連語
①
そうかといって。それにしても。
出典源氏物語 蜻蛉
「さりとては、いとおぼつかなくてやはあらむ」
[訳] そうかといって、たいそう不安なままでいられようか、いや、いられない。
②
なにとぞ。どうか。
出典羽衣 謡曲
「天上に帰らん事もかなふまじ。さりとては返したび給(たま)へ」
[訳] 天上へ帰ることもできなくなるでしょう。どうかお返しください。
③
なんとまあ。さてさて。▽感動詞的に用いる。
出典世間胸算用 浮世・西鶴
「さりとては気のつかぬ者どもよ」
[訳] さてさて気がつかない者たちよ。
なりたち
ラ変動詞「さり」の終止形+格助詞「とて」+係助詞「は」
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