学研全訳古語辞典 |
つ・く 【突く】
活用{か/き/く/く/け/け}
①
刺し通す。
出典徒然草 一八三
「人つく牛をば角(つの)を切り」
[訳] 人を刺し通す牛は、角を切り。◇「衝く」とも書く。
②
強く押す。
出典平家物語 九・越中前司最期
「越中前司が鎧(よろひ)の胸板をばぐっとついて」
[訳] 越中前司の鎧の胸板をぐっと強く押して。◇「衝く」とも書く。
③
打ち鳴らす。
出典源氏物語 末摘花
「鐘つきて」
[訳] 鐘を打ち鳴らして。◇「撞く」とも書く。
④
(杖(つえ)を)つく。
出典万葉集 四二〇
「杖つきもつかずも行きて」
[訳] 杖をついても、つかなくても行って。
⑤
ぬかずく。拝むために、頭・額などを地面や床に強く押し当てる。
出典更級日記 かどで
「身を捨てて額(ぬか)をつき、祈り申すほどに」
[訳] 身体を地に投げ出して、額(ひたい)を床に押し当て、祈り申し上げていると。
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