学研全訳古語辞典 |
まぎらはし 【紛らはし】
紛れるようにすること。紛らわすこと。気晴らし。
出典源氏物語 若紫
「もろともに遊びつつ、こよなき物思ひのまぎらはしなり」
[訳] 一緒に遊び遊びしては、この上ない物思いの気晴らしである。
まぎらは・し 【紛らはし】
活用{(しく)・しから/しく・しかり/し/しき・しかる/しけれ/しかれ}
①
まぶしい。まばゆい。
出典万葉集 三四〇七
「朝日さしまぎらはしもな」
[訳] 朝日がさしてまぶしいことだなあ。
②
区別がしにくい。紛らわしい。
出典源氏物語 花宴
「煩はしう、尋ねむ程も、まぎらはし」
[訳] 面倒で、詮索(せんさく)しようにも区別がつきにくい。
③
取り紛れている。
出典更級日記 宮仕へ
「そののちは何となくまぎらはしきに、物語の事もうち絶え忘られて」
[訳] その後は何となく取り紛れていて、物語のこともすっかり忘れて。
④
めまぐるしい。忙しい。
出典源氏物語 初音
「まして、方々(かたがた)のまぎらはしき競(きほ)ひにも」
[訳] まして方々のめまぐるしい競い合いから起こる雑用にも。◆古くは「まきらはし」とも。
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