学研全訳古語辞典 |
まぎ・る 【紛る】
{語幹〈まぎ〉}
①
見まちがえる。区別できなくなる。
出典源氏物語 若菜下
「まぎるべき方(かた)なく、その人の手なりけりと見給(たま)ひつ」
[訳] 見まちがえようもなく、あの人の字だとご覧になった。
②
紛れる。見つかりにくくなる。
出典源氏物語 若紫
「夕暮れのいたう霞(かす)みたるにまぎれて」
[訳] 夕暮れがたいそうかすんでいるのに紛れこんで。
③
心が奪われる。熱中する。
出典徒然草 一八八
「目の前のことにのみまぎれて月日を送れば」
[訳] 目の前のことにだけ心を奪われて月日を過ごすので。
④
気が紛れる。薄らぐ。弱まる。
出典源氏物語 桐壺
「ほど経(へ)ば、少しうちまぎるることもや」
[訳] 時間がたてば、少しは気が紛れることもあるだろうか。
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