学研全訳古語辞典 |
を 【緒】
①
糸。紐(ひも)。
出典古事記 神代
「太刀がをもいまだ解かずて」
[訳] 太刀のひももまだ解かないで。
②
弓や楽器の弦。つる。
出典枕草子 無名といふ琵琶の御琴を
「弾くにはあらで、をなどを手まさぐりにして」
[訳] (琵琶(びわ)を)弾くのではなくて、弦などを手なぐさみにして。
③
鼻緒。
出典枕草子 四月、祭の頃
「屐子(けいし)・履(くつ)などに、『をすげさせ。裏をさせ』などもてさわぎて」
[訳] 高下駄(たかげた)や履などに「鼻緒を通して(ください)。裏を張って(ください)」などとあれこれ大騒ぎして。
④
長く続くこと。また、長く続くもの。
出典万葉集 五八七
「あらたまの(=枕詞(まくらことば))年のを長く我も思はむ」
[訳] 何年もずっと長く私も思おう。
お 【小・尾・苧・男・峰・麻・雄・緒】
⇒を
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