学研全訳古語辞典 |
よく 【良く・善く・能く】
①
十分に。念入りに。詳しく。
出典竹取物語 御門の求婚
「よく見てまゐるべき由(よし)のたまはせつるになむ」
[訳] 念入りに見てくるようにとの意向をおっしゃられたので。
②
巧みに。上手に。うまく。
出典宇治拾遺 一三・九
「木登りよくする法師」
[訳] 木登りを上手にする法師。
③
少しの間違いもなく。そっくり。
出典万葉集 一二八
「わが聞きし耳によく似る葦(あし)のうれの足痛(ひ)くわが背」
[訳] 私が聞いたうわさにそっくり似ている、葦の葉先のように足の弱々しいわが夫よ。
④
甚だしく。たいそう。
出典今昔物語集 二七・四一
「よく病みたる者の気色(けしき)にて」
[訳] 甚だしく病んでいる人のようすで。
⑤
よくぞ。よくも。よくもまあ。▽並々でない事を成しとげたとき、また、成しとげられなかったときに、その行為の評価に用いる。
出典竹取物語 竜の頸の玉
「よく捕らへずなりにけり」
[訳] よくもつかまえなかったものだ。
⑥
たびたび。ともすれば。
出典浮世床 滑稽
「てめえ、よくすてきと言ふぜ」
[訳] おまえは、たびたびすてきだと言うぜ。
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