学研全訳古語辞典 |
さう-し 【草子・冊子・草紙・双紙】
①
とじ本。帳面。▽紙をとじて作った本の総称。
出典枕草子 御前にて人々とも
「この紙をさうしに作りなどもて騒ぐに」
[訳] この紙をとじ本に作ったりして騒いでいるうちに。
②
書物。本。▽物語・日記・和歌の書物など、仮名書きの書物の総称。
出典枕草子 清涼殿の丑寅のすみの
「古今のさうしを御前(おまへ)に置かせ給(たま)ひて」
[訳] (中宮は)『古今和歌集』の書物をお手元にお置きなさって。
③
絵草紙。草双紙。▽室町時代以降の絵入りの通俗的な読み物の略称。
出典丹波与作 浄瑠・近松
「さうしにある絵で見たよりはよい女房」
[訳] 絵草紙にのっている絵で見たのよりはよい女。
参考
「さくし(冊子)」のウ音便という。
そうし 【草子・冊子・草紙・双紙】
⇒さうし
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