学研全訳古語辞典 |
とほ・す 【通す・徹す】
活用{さ/し/す/す/せ/せ}
①
突き抜く。貫く。うがつ。
出典万葉集 二四四三
「石(いは)が根もとほして思ふ」
[訳] 岩の根元も突き抜くほどに思う。
②
透きとおす。すかす。
出典万葉集 一〇七三
「玉垂れの(=枕詞(まくらことば))小簾(をす)の間(ま)とほし」
[訳] すだれの小さなすき間をすかして。
③
届かせる。通じさせる。通行させる。
出典源氏物語 蛍
「南の町もとほして、はるばるとありければ」
[訳] 南の町も(道を)通じさせて、遥か遠くまであったので。
④
継続する。続ける。越す。経過する。
出典枕草子 八九月ばかりに
「夏とほしたる綿衣(わたぎぬ)のかかりたるを」
[訳] 夏中続け(て用い)ていた綿入れの、(汗の)においがしたのを。
活用{さ/し/す/す/せ/せ}
〔動詞の連用形に付いて〕終わりまでやりとげる。
出典万葉集 四一八三
「霍公鳥(ほととぎす)飼ひとほせらば」
[訳] ほととぎすを飼いとげられれば。
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