学研全訳古語辞典 |
へだ・つ 【隔つ】
活用{て/て/つ/つる/つれ/てよ}
①
(間を)離す。(間を)仕切る。さえぎる。隔てる。
出典枕草子 心にくきもの
「物の後ろ、障子(さうじ)などへだてて、聞くに」
[訳] 物の陰やふすまなどを隔てて聞くと。
②
別にする。区別する。
出典源氏物語 賢木
「大小の事をへだてず、何事も御後ろ見と思(おぼ)せ」
[訳] 事の大小を区別せず、何事も(源氏の君を)御後見とお思いなさい。
③
(間に)時間を置く。間(ま)を置く。
出典源氏物語 須磨
「一、二日たまさかにへだつるをりだに」
[訳] 一日二日たまに(あなたと)間を置くときでさえ。
④
疎んじる。疎み遠ざける。
出典源氏物語 若菜上
「少しへだつる心添ひて、見知らぬやうにておはす」
[訳] (紫の上には)少し(源氏を)疎んじる心が起こって、そしらぬようすでいらっしゃる。
活用{た/ち/つ/つ/て/て}
「へだたる」に同じ。
出典万葉集 八六六
「白雲の千重(ちへ)にへだてる筑紫(つくし)の国は」
[訳] 白雲が幾重にも重なりになって隔たっている筑紫の国は。
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