学研全訳古語辞典 |
なび・く 【靡く】
活用{か/き/く/く/け/け}
①
(風・波などの力で)雲・煙・海藻・草木などがなびく。
出典枕草子 草の花は
「昔思ひ出顔に、風になびきてかひろぎ立てる」
[訳] (晩秋のすすきが)昔(の美しさ)を思い出しているように、風になびいてゆらゆら揺れ動き立っているのは。
②
心から従う。同意する。
出典万葉集 二〇七
「沖つ藻のなびきし妹(いも)は」
[訳] ⇒あまとぶや…。
活用{け/け/く/くる/くれ/けよ}
①
なびかせる。
出典万葉集 二五三二
「ぬばたまの(=枕詞(まくらことば))わが黒髪をなびけて居(を)らむ」
[訳] 私のこの黒髪をなびかせておりましょう。
②
服従させる。同意させる。
出典太平記 六
「七百余騎にて和泉(いづみ)・河内(かはち)の両国をなびけて」
[訳] 七百余騎(という軍勢)で、和泉・河内の両国を服従させて。
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