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たりの意味

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学研全訳古語辞典

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たり

完了の助動詞「たり」の連用形。


出典徒然草 八九


「飼ひける犬の暗けれど主を知りて、飛びつきたりけるとぞ」


[訳] 飼っていた犬が、暗いけれど飼い主とわかって、飛びついたのだったということだ。



たり

助動詞ラ変型

《接続》ラ変以外の動詞、および「つ」を除く動詞型活用の助動詞の連用形に付く。


(一)

〔完了〕…た。…てしまった。▽動作・作用が完了した意を表す。


出典宇治拾遺 一・一二


「無期(むご)の後に、『えい』といらへたりければ」


[訳] 時間が長くたってから、「はい」と返事したので。


(二)

〔存続〕


…ている。…てある。…た。▽動作・作用が行われ、その結果が残っている意を表す。


出典枕草子 三月三日は


「おもしろく咲きたる桜を長く折りて、大きなる瓶(かめ)にさしたるこそ、をかしけれ」


[訳] 美しく咲いている桜を長く折って、大きな花瓶(かびん)に挿してあるのは、趣深い。


…ている。…てある。▽動作・作用が現在も続いている意を表す。


出典枕草子 春はあけぼの


「紫だちたる雲の細くたなびきたる」


[訳] 紫がかっている雲が細く横に長く引いているの(はとても趣深い)。


(三)

〔並列〕…たり…たり。▽二つ以上の動作・作用を交互に行う意を表す。


出典平家物語 一一・先帝身投


「艫(とも)舳(へ)に走り回り、掃いたり、拭(のご)うたり」


[訳] (知盛(とももり)は)船尾や舳先(へさき)に走り回り、掃いたり、拭(ふ)いたり。


語法

(1)完了と存続の違い 「たり」は、「つ」「ぬ」「り」とともに完了の助動詞であるが、「たり」の基本の意味は、「り」と同様に動作・作用が行われてその結果が残っていることを表す存続である。完了と存続の見分け方については


注意

(1)参照。(2)接続の特徴 「たり」は、「り」と、その意味はまったく同じであるが、接続は、大きく異なる。また、中古では尊敬の補助動詞「給(たま)ふ」に接続する場合には、「給へり」が一般的で、「給ひたり」はまれであった。(3)(三)は中世以降の用法で、「…たり…たり」の構文で用いられる。


注意

(1)完了か存続かは文脈で判断しなければならないが、便宜的に存続の「…ている」「…てある」で訳してみて、文脈に合えば存続。そうでない場合は完了と判断すればよい。(2)断定の助動詞「たり」と混同しないようにすること。


参考

接続助詞「て」+ラ変動詞「あり」からなる「てあり」の変化した語。



たり

助動詞タリ活用型

《接続》体言に付く。〔断定〕…である。…だ。


出典平家物語 一・鱸


「清盛(きよもり)、嫡男たるによって、その跡をつぐ」


[訳] 清盛は、正式の長男であることによって、その(死んだ父の)家督を継ぐ。


注意

完了の助動詞「たり」や「漫漫たり」などのタリ活用形容動詞の語尾と混同しないようにすること。


参考

格助詞「と」+ラ変動詞「あり」からなる「とあり」の変化した語。


語の歴史

中古には漢文訓読の文章に用いられ、和文にはほとんど用いられなかったが、中世以降和漢混交文に用いられて一般化した。



たり

断定の助動詞「たり」の連用形。


出典平家物語 三・大塔建立


「清盛公いまだ安芸守(あきのかみ)たりし時」


[訳] 清盛公がまだ安芸守であったとき。









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