古語:

申すの意味

古文辞書 - Weblio古語辞典古語辞典
約23000語収録の古語辞典

古語辞典


    



学研全訳古語辞典

学研教育出版学研教育出版

まう・す 【申す】

[一]他動詞サ行四段活用

活用{さ/し/す/す/せ/せ}


申し上げる。▽「言ふ」の謙譲語。


出典竹取物語 燕の子安貝


「燕(つばくらめ)の巣に手をさし入れさせて探るに、『物もなし』とまうすに」


[訳] (家来に命じて)燕(つばめ)の巣に手を入れさせて探るが、「何もない」と申し上げるので。


お願いする。お頼みする。▽「願ふ」「請ふ」の謙譲語。


出典更級日記 物語


「親の太秦(うづまさ)にこもり給(たま)へるにも、ことごとなく、このことをまうして」


[訳] 親が太秦(の広隆寺)に参籠なさったときにも(お供をして)、ほかの事は何もなくこのことばかりをお願いして。


いたす。してさし上げる。▽「す」「なす」の謙譲語。


出典今昔物語集 二七・二一


「『ことづけまうさむと思ふは、聞き給(たま)ひてむや』と言ひければ、遠助(とほすけ)、『まうしはべりなむ』と答ふ」


[訳] 「おことづけいたしたいと思うことは、お聞き入れくださるだろうか」と言ったところ、遠助は、「いたしましょう」と答える。


言います。申します。▽「言ふ」の丁寧語。


出典平家物語 九・木曾最期


「あれに見え候(さうら)ふ、粟津(あはづ)の松原とまうす。あの松の中で御自害候へ」


[訳] あれに見えますのは、粟津の松原と申します。あの松の中でご自害なさいませ。


[二]補助動詞サ行四段活用

活用{さ/し/す/す/せ/せ}


〔動詞の連用形に付いて〕お…申し上げる。ご…申し上げる。お…する。ご…する。


出典更級日記 子忍びの森


「わづかになりたる国を辞しまうすべきにもあらねば」


[訳] やっと任官した国をご辞退申し上げるわけにもいかないので。


参考

上代語「まをす」の変化した語。中古、女性に多く用いられた「聞こゆ(=申し上げる)」に対して、直接的で男性的な表現。公的で改まった感じの語。



まおす 【申す・白す】

⇒まをす



ま・す 【申す】

[一]自動詞サ行四段活用

活用{さ/し/す/す/せ/せ}


申し上げる。▽「言ふ」の謙譲語。


出典栄花物語 月の宴


「『…人のそしられの負ひ給(たま)ふこと』と、嘆かしげにまし給ふ」


[訳] 「…人の非難を受けなさること」と、嘆かわしそうに申し上げなさる。


[二]補助動詞サ行四段活用

活用{さ/し/す/す/せ/せ}


〔動詞の連用形に付いて〕…申し上げる。お…する。▽謙譲の意を表す。


出典大鏡 道隆


「『便(びん)なき事もこそ出(い)でくれ』と、人は受けまさざりけり」


[訳] 「不都合なことが起こるといけない」と人々は賛成申し上げなかった。


参考

「まうす」の変化した語。



まを・す 【申す・白す】

[一]他動詞サ行四段活用

活用{さ/し/す/す/せ/せ}


申し上げる。▽「言ふ」の謙譲語。


出典万葉集 三六八八


「秋さらば帰りまさむとたらちねの(=枕詞(まくらことば))母にまをして」


[訳] 秋になったら帰っていらっしゃるだろうと、母に申し上げて。


[二]補助動詞サ行四段活用

活用{さ/し/す/す/せ/せ}


〔動詞の連用形に付いて〕…申し上げる。▽謙譲の意を表す。


出典万葉集 八七六


「天(あま)飛ぶや(=枕詞(まくらことば))鳥にもがもや都まで送りまをして飛び帰るもの」


[訳] 鳥であったらいいなあ、都まで送り申し上げて飛んで帰ってくるのになあ。


参考

上代語。「まうす」の古形。中古以降は「まうす」となる。



もうす 【申す】

⇒まうす








申すのページへのリンク
「申す」の関連用語

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   

・英和辞典なら、Weblio英和・和英辞典

・英単語学習なら、Weblio英単語帳

申すのお隣キーワード

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   

・英和辞典なら、Weblio英和・和英辞典

・英単語学習なら、Weblio英単語帳




申すのページの著作権
古語辞典 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
学研教育出版学研教育出版
©GAKKEN 2024 Printed in Japan

©2024 GRAS Group, Inc.RSS